Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:権利なく保険金を受領した者からの損害発生否認

平成21(受)216 損害賠償,中間確認請求事件
平成23年02月18日 最二小判
裁判要旨の抜き書き

簡保の受取人が、無断で支払を受けた者に対し損害賠償を請求する場合において、(相手方が)損害発生を否認して争うことが信義則違反とされた事例

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・原文
 無断で支払を受けた被上告人が、その支払が有効でないなら上告人は依然として本件保険金等請求権を有しているので、損害が発生してない、としたのに対し、

 〜本件保険金等請求権が本来上告人に帰属するものであった以上は,被上告人〜は〜本件保険金等を保有する理由がないことは明らかであるのに,何ら非のない上告人がこのような訴訟上の負担を受忍しなければならないと解することは相当ではない。〜

 以上の事情に照らすと,上記支払が有効な弁済とはならず,上告人が依然として本件保険金等請求権を有しているとしても,被上告人〜が,上告人に損害が発生したことを否認して本件請求を争うことは,信義誠実の原則に反し許されないものというべき〜

 一見、「あったりまえじゃないか」と言いたくなるような内容ですが、良く考えると、そもそも「不法行為に基づく損害賠償」がメインで良かったのでしょうか?
最高裁は、

 以上に説示したところによれば,上記部分に関する上告人の請求は理由があり,これを認容した第1審判決は正当であるから,上記部分に係る被上告人らの控訴を棄却すべきである

 としておりますが、第1審判決も見てないので良くわかりませんが・・・・


 町村先生が、早速、紹介されておられます。
「これに対して最高裁の鉄槌が下った。」と言うのが良いですね。
arret:信義則新判例: Matimulog