Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:クオークローンからプロミスへの切替事案

平成23(受)516 不当利得返還請求事件
平成23年09月30日 最二小 判決
裁判要旨の要旨

プロミスが完全子会社クオークローンの顧客との間で、自己の取引に切り替える趣旨で金消取引基本契約を締結するに当たり,過払金等返還債務も引き受けたとされた〜

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・最高裁原文
(抽出加工あり)

 〜グループ会社のうち国内の消費者金融子会社の再編を目的として,被上告人の完全子会社であるAの貸金業を廃止し,これを被上告人に移行,集約するために本件業務提携契約を締結したのであって,

上記の貸金業の移行,集約を実現し,円滑に進めるために,本件債務引受条項において,被上告人がAの顧客に対する過払金等返還債務を併存的に引き受けることが,また,〜切替顧客とAとの間の〜紛争については,単に紛争の申出窓口になるにとどまらず,その処理についても被上告人が全て引き受けることとし,その旨を周知することが,それぞれ定められたものと解される。

〜グループ会社の再編に伴うものであることや〜紛争等の窓口が今後被上告人になることなどが記載された本件申込書を示して〜切替契約を〜勧誘しているのであるから,

被上告人の意図は別にして〜表示された被上告人の意思としては,これを合理的に解釈すれ,上告人が上記勧誘に応じた場合には,被上告人が,上告人とAとの間で生じた債権を全て承継し,債務を全て引き受けることをその内容とするものとみるのが相当である。

そして,上告人は,上記〜勧誘に応じ,〜,上告人もまた,債権債務を被上告人が全てそのまま承継し,又は引き受けることを前提に,上記勧誘に応じ,本件切替契約を締結したものと解するのが合理的である。


本件申込書には,〜約定残債務の額を確認し,これを完済するため,同額をA名義の口座に振り込むことを依頼することも記載されているが,〜実際にも〜手続が執られることはなく,被上告人と〜Aとの間で直接送金手続が行われたにすぎない〜〜形式的な会計処理として〜行うことを承諾したにすぎない〜。

以上〜に照らせば〜被上告人が〜取引1に係る債権を承継するにとどまらず,債務についても全て引き受ける旨を合意したと解するのが相当〜,この債務には,過払金等返還債務も含まれていると解される。

 一連の契約切替の経緯から、債務も承継したものと判断されたと言うことと思われます。

内藤先生も取り上げておられます。

 その後〜クオークローン→〜タンポート→〜クラヴィス(現在)と商号変更をし〜,現在は,ネオラインキャピタル株式会社の100%子会社である。

とも書いておられます。(内藤先生感謝)
金銭消費貸借取引に係る基本契約の切替えと過払金返還債務の承継 - 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG
加えて、こう言う記事も書いておられます。
三井住友銀行,プロミスを100%子会社化へ - 司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

なお、本件は名古屋消費者信用問題研究会の関係のものらしく、実名入りの判決原文を公開されておられます。名古屋消費者信用問題研究会 判決原文

また、切替・承継事案については、下記判例をアップしております。
最高裁:貸金債権の一括譲渡と契約上の地位・過払金の承継 - g-note(Genmai雑記帳)
最高裁:貸金債権の一括譲渡と契約上の地位・過払金の承継2 - g-note(Genmai雑記帳)
最高裁:貸金債権の一括譲渡と契約上の地位・過払金の承継3 - g-note(Genmai雑記帳)