Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:葬儀場目隠し義務

(2010-06-30分の改記分)
平成21(受)1709 目隠しフェンス設置等請求事件
平成22年06月29日 最三小判
判示事項抜き書き

 葬儀場〜業者が〜近隣〜居住〜者に対し〜様子が見えないように〜目隠しを設置〜措置を更に講ずべき義務も〜営業〜の不法行為責任も負わないとされた事例

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(抽出・加工あり。原文参照)

ア 被上告人は,平成6年〜新築〜居住〜。
イ 〜上告人は〜平成17年9月〜葬儀場建物〜を建築〜10月から〜営業〜

ア 〜第一種住居地域〜。〜。
イ 上告人は,平成16年〜から〜6回にわたり〜建設〜地元説明会を開催〜。
自治会〜反対〜要望書を〜市長に提出〜要望事項を伝える〜上告人において,上記要望事項に配慮し,〈1〉目隠し〜フェンス〜,〈2〉〜入口位置の変更,〈3〉防音,防臭〜二重玄関ドア等の設置〜を受けて〜被上告人を含む3名を除き〜和解協定〜
(3) 本件フェンスの現況等
〜フェンス〜高さ〜1.78m〜境界部分〜擁壁を含めると2.92m〜更に1.5m高くするには,約221万円〜要する。
(4) 本件葬儀場の営業と被上告人の生活状況
ア 〜通夜〜告別式〜頻度は,1か月に20回程度〜遺体搬送車及び霊きゅう車を〜玄関先まで近付けて停車させて棺の搬入や出棺を行っている。
イ 〜フェンス〜擁壁が設置〜被上告人建物の1階からは〜様子は見えない〜2階東側の各居室,階段ホール及びベランダからは〜参列者〜様子のみならず,棺が〜搬入される様子や出棺の際に棺が〜玄関先に停車している霊きゅう車に積み込まれる様子が見える。
ウ 被上告人は〜2階の北東居室を仕事部屋兼寝室として利用〜営業に強いストレス〜様子が目に入らないようにするため〜各居室の窓及びカーテンを常時閉めている。

原審

〜〈1〉人格権ないし人格的利益に基づく本件目隠し設置請求を〜フェンスのうち被上告人建物に面する部分を更に1.2m高くする〜限度で認容〜,
〈2〉慰謝料等〜20万円の限度で認容〜。
(1) 〜搬入〜出棺の様子が〜2階の各居室等から見える〜受忍〜限度を超える。
(2) 〜他者から〜欲しない刺激によって心を乱されないで日常生活を送る利益,いわば平穏な生活を送る利益としての人格権ないし人格的利益に基づく妨害排除請求として〜フェンスを高くする方法で〜見えないようにするために必要な限度で目隠しの設置を請求〜でき,〜目隠しの設置をしなかったことについて,不法行為〜損害賠償を請求〜できる。

最高裁

(1) 〜被上告人建物との間には幅員15.3mの〜市道がある〜様子が見える場所は2階東側の各居室等に限られる〜。〜告別式等〜は1か月に20回程度で〜棺の搬入や出棺〜玄関先まで近付けて停車させている〜速やかに,ごく短時間〜に行われている〜。
行政法規の規制に反するものではなく〜地元説明会を重ねた上〜自治会からの要望事項に配慮して〜目隠し〜フェンスの設置,入口位置の変更,防音,防臭対策等の措置を講じている〜。

〜2階の各居室等から〜参列者が参集する様子,棺が〜搬入〜搬出される様子が見えることにより,強いストレスを感じているとしても〜主観的な不快感にとどまる〜営業が,社会生活上受忍〜程度を超えて〜平穏に日常生活を送るという利益を侵害しているということはできない。
〜目隠し〜設置〜措置を更に講ずべき義務を負うものでない〜,〜不法行為責任を負うこともない〜。

(事例判決)