Genmai雑記帳

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最高裁:詐害行為の受益者による時効援用

平成6(オ)586 所有権移転登記抹消登記手続
平成10年06月22日 最二小判
裁判要旨抜き書き

詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用〜できる。

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(抽出・加工あり。原文参照)

1〜Fに対して〜債権を有し〜連帯保証人である亡Eに対して〜連帯保証債務履行請求権を有していた。
2〜亡Eに対して〜立て替えた費用〜の求償債権を有していた。
3 亡Eは多額の債務を負担〜亡Eと上告人は、他の債権者を害することを知りながら〜亡Eの〜不動産〜贈与契約を締結〜上告人への所有権移転登記を経由〜。
4 上告人は〜被上告人のFに対する債権は期限の定めのない商事債権〜五年の経過により時効によって消滅〜亡Eに対する連帯保証債務履行請求権も消滅〜また、亡Eに対する求償債権は立替後一〇年の経過により時効によって消滅〜、消滅時効を援用〜。

原審

〜上告人は〜贈与契約の受益者にすぎず、被上告人〜債権について消滅時効を援用し得る立場にない〜消滅時効の抗弁を排斥〜

最高裁

 〜145条〜の当事者として消滅時効を援用し得る者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定される〜(〜平成2年(オ)742・同04年03月19日一小判〜)

詐害行為の受益者は、詐害行為取消権行使の直接の相手方とされている上、これが行使されると債権者との間で詐害行為が取り消され、同行為によって得ていた利益を失う関係〜、
〜反面、詐害行為取消権を行使する債権者の債権が消滅すれば右の利益喪失を免れることができる地位〜
〜右債権者の債権の消滅によって直接利益を受ける者に当たり〜消滅時効を援用〜きる〜

月報司法書士・時効関係編(1)の2 - g-note(Genmai雑記帳)で引用されていましたので読んでみました。