Genmai雑記帳

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賃借権の抵当権への優先登記・敷金登記

平成15年12月25日民二3817
担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱い(e-profession感謝)
1 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記(抽出・加工あり。原文参照)

ア 改正〜387条1項〜抵当権設定後の賃貸借につき登記がされ〜優先〜抵当権を有するすべての者(総先順位抵当権者)が〜対抗力を与えることに同意し〜登記がされたときは〜賃借権は抵当権者に対抗〜できる。

イ 同意の登記は〜賃借人〜を〜権利者、総先順位抵当権者を〜義務者とする共同申請〜〜不利益を受けるべき者の承諾〜証〜書面〜添付〜

ウ 同意を与えた総先順位抵当権者は〜賃借権登記の賃借人に有利な変更登記について、「登記上利害ノ関係ヲ有スル第三者」に当たる〜その変更登記〜に当たっては、総先順位抵当権者の承諾書〜を添付〜

エ 〜改正法の施行前〜賃借権についても適用〜。

オ 登録免許税は、賃借権及び抵当権の件数1件につき1000円〜。登〜税〜別表第一の第一号(六の四))。

 この時の改正(短期賃貸借の廃止)で、抵当権に遅れる賃借権は、すべて、抵当権者・買受人に対抗できなくなったわけですが、同時に、「敷金も承継しないことになった。」とされています。(登研677・83頁)

2 敷金の登記

 〜賃借権の設定〜賃借物の転貸の登記について敷金が登記事項とされた。

不登記法81条(賃借権の登記等の登記事項)

賃借権〜賃借物の転貸の〜登記事項〜
 一 賃料
 二 存続期間〜賃料の支払時期の定め〜
 三 〜譲渡〜転貸を許す旨の定め〜
 四 敷金があるときは、その旨
 五 〜行為能力の制限〜者〜財産の処分〜権限〜ない者であるときは、その旨
 六 土地〜の目的が建物の所有であるときは、その旨
 七 〜借地借家法23条1項〜2項〜建物であるときは、その旨
 八 〜借地借家法22条前段、23条1項、38条1項前段〜39条1項、高齢者〜居住〜安定〜法〜52条〜大規模な災害〜の定めがあるときは、その定め

 敷金の登記がなければ、賃借人はその存在を買受人に対抗できない、と言うことになりますね。