古い定款のままの会社から役員変更登記の依頼を受けましたので、「そろそろ、定款も会社法にそった内容に近代化されたら。」と提案し、「ついでに取締役会の廃止もできますよ。」とも伝えた所、
1.取締役会や監査役をなくすパターンは、どう言うものがあって、どのように手続が簡素化されるかを示してほしい。
2.それぞれについて、費用を見積もってほしい。
と言われてしまいました。
司法書士としては、一応、すべてのパターンを組んでみて、一々、計算してみなければならない(しかも、どうせ、費用のかからない所に落ち着くのは見えている。)、と思うと、もっとも面倒くさいと思うケースですね。
しかし、提案した責任もあって(?)、上記1については、改めて見直して(→これ)、簡単な資料を作ってお渡ししました。
2の費用についても、やむをえず、それぞれのパターンで必要な登記や作成すべき書類などの一覧を作って計算してみました。
当初の依頼である役員変更だけだと、登録免許税は1万円だけです。
取締役会を廃止すると3万円、一応、「好ましい」形とされているので「株式の譲渡承認機関」も変更すると更に3万円がかかってしまいます。
ま、結局、「定款の近代化だけお願いします。」、と言う「予定どおり」のご返事でした。
これって、会社の実態や、会社の真意から見ると、どう考えても、登録免許税がかかることが簡素化を阻害していますよね。
久しぶりに、取締役会設置会社の新定款を作成しながら、
総会は319条のみなし決議すれば良いが、取締役会の方は、みなし決議の条項を入れておかないと役員変更の際に困るので・・・・、などと考えておりましたが、
ふと、「取締役会設置会社も定款に規定しておけば、総会で代表取締役を選定できたはず」であることを思い出して、そのようにしました。
これで、取締役会のない会社と同様、319条決議だけで代表取締役の選定までできる、と安心しました。(ちなみに、いろいろと資料再確認する際に、またしても「奥出雲法律文庫」の絶大なお力をお借りました。感謝。)
これって、商業登記の多い方などにとっては、会社の規模などを考えていると、ごく当たり前に思いつくことなのかもしれませんね。
私などにとっては、知識だけあって実践したことがなかっただけに、「うれしい再発見」でした。