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相続分の譲渡と登記手続に関する一考察(登記情報2014.4)

登記情報629号(2014.4)に、秋山司法書士による「相続分の譲渡と登記手続に関する一考察」と言う記事が載っていました。
特別、新しい内容と言うわけではありませんが、現在の実務のあり方(資料など)が良くまとめられていて、相続分譲渡を考えるときには、非常に良い資料になっていると思いました。(感謝)

Ⅲ相続分譲渡とは
(5)債務については〜譲渡人も併存的に債務を負担する〜通説〜
Ⅳ相続分の譲渡人と譲受人
平成13年07月10日 最三小判(相続分譲渡後の遺産分割の効果)
昭和54年07月06日 大阪高決(相続分譲渡後の遺産分割協議の当事者)
・通達先例(一部について、抽出・加工あり。原文参照)

(1)A〜Cが、Dに譲渡
 ・昭和59年10月15日民三5195号
(2)A、BがDに譲渡し、CDで協議成立
 ・昭和59年10月15日民三5196号
(3)AがBに譲渡後死亡
 ・登研544-p105
(4)共同相続登記後、CがA・Bに譲渡(調停)、ABで協議成立
 ・登研787-p135
(5)遺産分割前に、Cが第三者Xに譲渡、その後、XとABで協議成立
 ・登研753-P186
 理由

法定相続、遺産分割を通じて関係する者が共同相続人のみであること
遺産分割によって遡及的に相続開始時に相続財産を相続しているということ
からみて、便宜、中間省略を認めても、中間者の利益を害することはなく特段の問題が生じることがないと考えられているから

(6)異順位者間での譲渡
 ・平成4年03月18日民三1404-e-profession感謝
(7)異順位者間での協議
 ・昭和29年05月22日民甲1037-e-profession感謝
 ・昭和30年12月16日民甲2670
(9)第三者への相続分譲渡の場合の登録免許税
 ・平成22年04月02日民二908-e-profession感謝

Ⅶ遺産分割協議と相続分譲渡が組み合わされた登記事例
 ここには、筆者の行った実例が紹介されており、私なども良く考える方法ですが、遺産分割協議を進めて、不成立の場合には相続分譲渡に切り換えるような、選択的なやり方については、それなりの注意が必要だろうと考えています。
Ⅷ終わりに
 ・相続債務の有無や取扱の把握が前提
 ・そのほかに私は、既に、一部について分割協議してないか(一部について、相続財産を受けとったりしてないか)などを確認します。
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